三養の売上の82%が韓国の外 — ラーメンで四半期営業利益1,771億ウォン

三養食品の2026年第1四半期は売上7,144億ウォン(+35%)、営業利益1,771億ウォン(+32%)。海外売上は5,850億ウォンで約82%だ。欧州215%・米国37%・中国36%増。日本で買う袋が韓国の袋と違う理由まで。

🇰🇷 韓国·2026年8月8日·8分で読める

一社の決算表を旅行情報として読める場合は多くない。この会社はその一つだ。

三養食品の**2026年第1四半期の海外売上比率は約82%**である。売上7,144億ウォンのうち5,850億ウォンが韓国の外から出た。営業利益は1,771億ウォンで四半期基準の過去最大だ。

この数字が意味するのは「輸出が好調だ」ではない。この会社の基準となる市場がもはや韓国ではないということであり、だから日本のスーパーで手に取る袋とソウルのコンビニの袋は同じではない。

数字でひとめ

項目2026年第1四半期前年同期比
売上7,144億ウォン+35%
営業利益1,771億ウォン+32%・四半期で過去最大
海外売上5,850億ウォン+38%・全体の約82%
— 米国法人1,850億ウォン+37%
— 中国法人1,710億ウォン+36%
— 欧州770億ウォン+215%・伸び率1位
海外生産拠点中国工場を建設中2027年1月完工目標

その袋が正確にはどんな商品なのか

決算の話をする前に商品から説明する。この会社の海外売上を作ったのは事実上一つの製品だ。

ブルダック炒め麺(불닭볶음면)は2012年4月13日に出た。汁のない炒め麺で、麺をゆでて湯を捨てたあと、辛いソースを絡めて食べる。ラーメンでありながら汁物ではない点が、海外ではむしろ有利に働いた — 器もスプーンも要らない。

開発の過程がこの製品の性格をよく表している。会社は1年あまりのあいだに鶏1,200羽と調味料2トンを使って辛さを調整し、青陽トウガラシ・ハバネロ・ベトナムトウガラシ・タバスコ・ブートジョロキアなど各国のトウガラシを取り寄せて配合を試した。目標はただ辛いことではなく、「おいしく辛い」地点だった。

そのうえで韓国のラーメン業界で初めてスコヴィル値を表記した。トウガラシのカプサイシン濃度を数値で示す尺度だ。オリジナルの値は4,404スコヴィルである。この表記方式は、あとから出た派生製品が辛さを段階で売る根拠になった — より辛いバージョン、汁あり、クリームやカルボナーラのように辛さを和らげるバージョンが順に出た。

ここで重要なのは数値で辛さを示したという事実そのものだ。味を説明する代わりに計量したので、韓国語を知らない人でも同じ基準で製品を選べるようになった。

82%という数字が会社の中で何を変えるのか

海外比率が80%を超えると、会社の意思決定の順序が逆転する。

新製品を企画するとき、韓国の消費者の反応を先に見る会社と、輸出市場の反応を先に見る会社は、違う物を作る。辛さの段階構成、包装サイズ、ソースを分けるかどうか、表記言語 — すべてどちらを基準に置くかで変わる。

ここで押さえておく点が一つある。この会社はこれまで海外工場を持っていなかった。 全量を韓国で作って船で送ってきた。最初の海外生産拠点を中国に建てており、2027年1月の完工が目標だ。

つまりいま日本のスーパーで手に取る袋は、まだ韓国から来た物である。2027年以降はこの文が成り立たなくなる可能性がある。

欧州215%が米国37%より重要な理由

金額だけ見れば米国1,850億、中国1,710億、欧州770億の順だ。欧州が最も小さい。

ところが伸び率は正反対である。米国37%、中国36%なのに欧州だけ215%だ。 3倍を超えて跳ねた。

伸び率がこれほど跳ねる区間は、たいてい市場はすでにあったのに供給が追いついていなかった状態から出る。物を知っている人は増えていて、流通網が後から敷かれたということだ。実際、この会社の決算発表で繰り返し出てくる表現が「生産能力の増強」である。

逆に米国・中国の30%台は、すでに規模のある市場の成長率だ。二つの数字は性格が違うので、同じ物差しで優劣をつけることはできない。

辛さはなぜ先に国境を越えたのか

決算表にない話をここでする。

韓国の食べ物が海外に根を下ろす道筋には、たいてい順序があった。まず「これは韓国の食べ物だ」という説明がつき、次に味の正体を知らせ、そのあとに売れる。キムチとプルコギはその経路をたどった。

辛いラーメンはこの順序を飛ばした。辛さは説明の要らない感覚だ。そして「どれだけ辛いか耐えてみろ」という形式は、そのまま映像に乗る。カメラの前で一袋食べるだけでコンテンツになり、言語も字幕も要らない。

だからこの製品は広告費より他人が食べる映像で売れた。会社が作ったのではないコンテンツが流通チャネルの役割を果たしたわけだ。この構造は再現が難しく、だから競合が同じやり方で追いつくのも難しい。

輸出先で越えた本当の敷居は味ではなかった

海外展開で決定的だったのは規格と認証だ。

ムスリム人口の大きい市場で食品が売られるにはハラール認証が先に要る。インドネシアはとくにそうで、マレーシアも同じだ。この会社はその手続きを踏んで参入したと報じられてきた。

認証は書類の問題では終わらない。原料の調達先、生産ラインの分離、物流倉庫の管理まで条件がつく。だから認証を受けた製品と受けていない製品が、実際に別の物である場合がある。同じ理屈は認証の種類が変わっても働く — 次の節の一行目につながる。

日本ではどうなるか

日本の読者にとって、この商品はもう「輸入食品コーナーの珍しい物」ではない。コンビニ・ドン・キホーテ・カルディ・業務用スーパー・韓国食品店と、買える場所が並行して増えたカテゴリーだ。だから論点は「どこで買えるか」ではなく、**「その袋がどれなのか」**に移る。

日本で流通している袋には少なくとも二系統ある。 日本語表示のついた輸入仕様と、韓国国内向けの袋がそのまま並行輸入で入ってくるものだ。前者はアレルゲン表示や原材料表示を日本の規則に合わせているので、表記だけでなく中身の仕様が違うことがある。 韓国で食べた味と日本で買った味が違うと感じたなら、それは記憶違いとは限らない。

場面なぜそうなるのかどう見るか
韓国で食べた味と日本のものが違う輸出仕様は表示・規格・ときに配合まで現地の規則に従う勘違いではない可能性がある。 袋の裏の原材料表示を並べて見れば分かる
日本で見ない変種が韓国にある基本ラインは輸出されるが、季節限定やコラボは韓国国内流通で終わることが多い韓国のコンビニのラーメン棚で、まず知らないパッケージから確認するほうがいい
値段を比べたい輸出単価は韓国国内の販売価格より高く形成される構造だ韓国現地の価格が日本の店頭価格より低い可能性がある。飛行時間が短く週末で行ける分、まとめ買いの計算は現実的
2027年以降中国工場が稼働すれば一部の生産地が変わる袋の裏の原産国表示を見れば分かる
辛さが分からない日本の激辛表記と韓国の段階基準は別物だスコヴィル値のような数値表記があればそれだけを信頼し、なければ最も低い段階から始める

日本には激辛の物差しがすでにある。 蒙古タンメン中本の辛さ表記、激辛カップ麺の段階表示に慣れた読者は少なくない。ただしそれらは各社の内部基準で、社をまたいで比較できない。スコヴィル値の表記が効くのはまさにここだ — 4,404という数字は、日本のどの商品とも同じ物差しの上で比べられる。辛さの言語が違う二つの市場をつなぐのが、言葉ではなく数値だったというのが、この製品の輸出でいちばん面白い部分かもしれない。

そしてこの決算表は、日本の読者にとって他社の話ではない。あの82%のなかに日本の棚が入っている。 会社が次の製品を企画するとき見る顔も、だんだんそちら側だ。これから出る新製品が自分の口に合うと感じたなら、それは偶然ではないだろう。

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