ペンライト4万ウォンのうち3万ウォンは何の値段か — 原価1万ウォン

公式ペンライトの平均41,250ウォン、製造単価は約1万ウォン。マージン率は最高420%だ。2025年の韓国エンタメ4社のMD売上は1兆1,000億ウォンで40%以上増え、YGは第1四半期のグッズ売上が公演売上の2倍だった。

🇰🇷 韓国·2026年8月8日·9分で読める

コンサート会場で観客全員が同じ棒を持って振る。色が一斉に変わり、ブロックごとに波が通り過ぎる。その棒が公式ペンライトだ。

平均価格は41,250ウォンで、製造単価は約1万ウォンとされている。差額が3万ウォンである。

この記事はその3万ウォンが何の値段なのかを問う。結論から言えば物の値段ではない — そしてその事実は、最近のエンタメ各社の決算表ではるかに大きな規模で繰り返されている。

数字でひとめ

項目数字基準
公式ペンライトの平均価格41,250ウォンTWICE 49,000・BTS 39,000・BLACKPINK 39,000・NCT 38,000
製造単価約1万ウォン韓国の報道基準
マージン率平均価格基準312.5%・最高420%52,000ウォン製品基準が最高値
エンタメ4社のMD売上1兆1,000億ウォン(+40%以上)2025年、キウム証券
2026年の予想市場1兆6,000億ウォン同じ資料
ファン1人あたりの年平均支出約104万ウォン韓国消費者院のファンダムマーケティング実態調査
アルバムの平均購入量4.1枚(イベント応募時は最大90枚)同じ調査

表は二つの方向を一緒に見せている。一方は物一つのマージンで、もう一方は会社全体の売上だが、そのあいだにファン1人あたり年104万ウォンという行が挟まっている。この記事が問うのはマージンが正当かどうかではなく、その104万ウォンが何を買う金なのかだ。

値札は物の値段ではなく参加費である。

ペンライトとは正確にどんな物か

値段を問う前に物を見なければならない。最近の公式ペンライトは発光する棒ではない。

Bluetoothでスマートフォンとつながる。 アプリにチケットの座席情報を登録すると、公演中にステージ側からの信号に応じて自分の席に合わせて色が変わる。 客席全体が一つの画面になる演出はここから出る — 波が通り過ぎ、特定のブロックだけ別の色に光り、曲が変わるときに全体が一度に切り替わる。

グループごとに形も違う。ハンマー、王冠、クマのぬいぐるみ、ハート、球 — 形そのものがグループの象徴なので、ファンダムの名前と一緒に呼ばれる。だからペンライトはどのグループのファンかを言葉なしに示す標識でもある。

ここで代替品が消える。非公式の製品や照明アプリでは座席連動が動かず、連動しなければ公演のあいだ中その人の席だけが黒いまま残る。 会場の中でこれは思ったより大きく感じられる。

だから3万ウォンの実体はこう整理される。物を買う金ではなく、演出に参加する入場券だ。 値段が正当だという意味ではなく、その金が何と交換されているのかがそうだ、という意味である。

マージン率420%をどう読むべきか

この数字をそのまま「暴利」と読む前に、二つを区別する必要がある。

第一に、製造単価は原価ではない。 1万ウォンは工場で物を作る値段だ。ここにデザイン、アプリ開発とサーバー運用、認証、金型、物流、在庫の廃棄、流通手数料が乗る。座席連動の機能はツアーごとにソフトウェア側の費用が新たにかかる。

第二に、それでも残る幅が大きいのは事実だ。 上の費用をすべて認めても、312〜420%という幅は一般の消費財では見にくい数値である。

韓国の報道で実際に問題になったのはマージン率そのものではなく、誰がその金を払うのかだった。主な購買層に小遣いで買う10代が含まれ、そのため家庭の経済力がファン活動の水準を分けるという問題提起が続いた。ファン1人あたり年平均104万ウォンという調査の数値は、その懸念が根拠のないものではないことを示している。

グッズが公演売上を超えた

ところがペンライト一つの値札は小さな事例にすぎない。同じ構造が会社の決算ではるかに大きく現れる。

項目
エンタメ4社のMD売上(2025年)1兆1,000億ウォン、前年比40%以上増加
2026年の予想市場規模1兆6,000億ウォン
YG 2026年第1四半期の商品・製品売上653億ウォン
YG 2026年第1四半期の公演売上309億ウォン(前年同期75億→4倍以上)
JYP 2026年第1四半期の売上構成全体1,859億のうち音盤450億・マネジメント及びその他1,410億(75%以上)

YGの二行を並べて見ると、今この産業の重心が見える。公演売上が4倍に跳ねた四半期に、グッズ売上はその公演売上の2倍だった。

理由は単純だ。公演売上は座席数と公演回数に縛られている。座席は物理的にこれ以上増やせない。一方で一つの座席に座った人がその日いくら余分に使うかには上限がない。 ペンライト、Tシャツ、トレカ、ぬいぐるみキーリング、スローガンが同じ人に同じ日に売られる。

座席は増やせなくても支出は増やせる。

リセールが乗ると定価は上限ではない

ここにもう一枚ある。定価を払っても買えない物がある。

NCT WISHの「ウィッシュドール」ぬいぐるみキーリングは定価が1万8,000ウォンなのに、リセール市場の最高値が8万ウォンまで上がった。4.4倍である。限定数量・ポップアップ限定・特定店舗限定のように数量に条件がついた瞬間、こういうことが起きる。

トレカのほうはこの現象がもっと古く、規模も大きい。アルバムを買う目的が音盤ではなくその中のカードである場合が多く、調査ではイベント応募券がかかると1人が最大90枚まで買う。その構造はトレカの転売市場で別に扱った。

だからファンが実際に支払う金額は定価表では計算できない。定価は下限であり、上限はその物がどれだけ少なく作られたかが決める。

日本ではどうなるか

日本の読者はペンライトを知っている。だからこそ、この記事のいちばん重要な一点を読み飛ばしやすい。

日本のライブ文化にもペンライトは深く根づいている。メンバーカラーに自分で色を切り替える方式が長く主流で、公式のペンライトも売られてきた。「ペンライトを買って会場で振る」という行為自体は、日本の読者にとって新しくない。

違いは一点に集約される。色を決めるのが自分か、ステージ側か。

項目日本で主流だった方式韓国の公式ペンライト
色の決定自分で切り替える。 推しのメンバーカラーを選ぶステージ側の信号で変わる。 座席情報を登録する
客席の見え方個々の意思が集まった色の分布客席全体が一つの画面。 波・ブロック単位の演出が可能
非公式品で代替できるか色が出れば役割は果たせるできない。 連動しないと自分の席だけ暗いまま残る
買う理由応援の道具演出に参加するための入場券

この表の最終行が、4万ウォンの正体だ。日本の感覚で「ペンライトなら安いのでもいい」と考えると、会場で唯一その考えが通用しない場所に座ることになる。 韓国のグループの日本公演でも同じ仕組みが使われる場合があるので、これは渡航しない読者にも関係する。

日本の読者に固有の実務ポイントが二つある。

電池と航空規定だ。 ペンライトは内蔵バッテリー式と乾電池式が製品によって分かれる。リチウムバッテリー内蔵の物は受託手荷物の規定が航空会社ごとに違う。 韓国へ公演を観に行くなら出発前に確認する。乾電池式なら現地調達が効くが、会場前ではすでに売り切れているのが通例だ。

もう一つ、世代交代である。ペンライトはグループの活動サイクルに合わせて新バージョンが出る。次のツアーの発表前に旧世代を買うと、いざ公演のときに連動仕様が変わっていることがありうる。日本から遠征する場合、この確認を怠ると現地で買い直しになる。

確認することなぜどうするか
公式かどうか座席連動は公式製品でしか動かない目立って安い製品はたいていその機能がない。公演に持っていく目的ならこの差がすべてだ
今が買い時か活動サイクルで新バージョンが出る次のツアー発表前に旧世代を買わない
電池の方式内蔵と乾電池で扱いが違うリチウムは航空会社ごとに規定が違う。 出発前に確認
どこで買うか公式通販・現地販売・日本の正規流通で価格と在庫が違う現地購入は列が長く売り切れが多い。公式通販の先行予約があればそちらが安全
限定品かどうか数量条件がつくとリセール価格が定価の数倍になる転売する気がないなら、むしろ限定品を避けるのが合理的

最後に一つ。420%を知ると気分が悪くなるかもしれない。ただしその数字だけで結論が出るわけでもない。会場でペンライトが作り出す光景は実際にその公演の一部であり、その体験を4万ウォンで買うかどうかは各自の判断だ。知って買うのと知らずに買うのが違うだけである。

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